角層構造と精油成分の浸透メカニズム
精油の主な成分であるモノテルペン類は、炭素数10(C10)の基本骨格を持つ分子量300以下の低分子量化合物であり、この特徴が浸透促進に影響を与える要因のひとつだと考えられます。そのため、モノテルペン類は他の有用成分などを皮膚深部へと導く経皮浸透促進作用について多くの研究が行われています。
一方、私たちの皮膚の最外層には、厚さわずか0.01〜0.02mmほどの角層(Stratum Corneum)が存在します。角層は、角質細胞(Corneocyte)と細胞間脂質(Intercellular lipid)が交互に重なる「レンガとモルタル構造」を形成しており、異物の侵入を阻む強力なバリアとして機能しています。
成分が皮膚を通過する経皮浸透経路は、主に以下の3つの経路に分類されます。
●細胞内を通過する「経細胞経路(Transcellular route)」
●細胞同士の隙間を通る「細胞間隙経路(Intercellular route)」
●毛穴や汗腺を介する「付属器官経路(Appendage route)」
モノテルペン類は、これらのうち主に細胞間隙経路を通過することが明らかになっています。